!マークじゃ足りない感情
残酷な世の中で、
何も与えられず、
傷だらけになり、
社会から見捨てられ。
たったひとり。
飢えと孤独に震えていた、
ボロボロの私に、
救いの手を差し伸べてくれた、
優しい貴方。
冷たく醜い他の人間とは違う、
貴方という人を知り、
私は初めて、
愛を知りました。
私にとって、
貴方は世界の全てだったのに、
貴方には、
私以外の世界が存在したのです。
だから、私は。
誰も知らない場所に、
貴方を閉じ込めました。
貴方が私以外の世界を、
二度と見ないように。
陽の射さない、地下の牢獄。
蝋燭の僅かな灯りが、
仄かに貴方と私を照らし、
湿り気を含んだ空気が、
二人を包み混みます。
もう、苦しまなくていいのです。
貴方を苦しめる物は、
この部屋には、
何一つ無いのですから。
…そう。
私が貴方に捧げたのは、
!マークじゃ足りない感情。
二人きりの永遠の世界。
誰よりも、愛しい貴方。
私はここに居ます。
ですから。
このまま、二人で…。
8/16/2025, 4:50:30 AM