どこにも書けないこと
鉛筆を持っては机に置く。それを繰り返す。
私の目は、ノート、机、教科書、消しゴム、メモ帳、用紙。それぞれを目に写してはため息を吐く。
彼と同じ学校へ行きたい。
彼の希望校を知っているが、私には賢すぎる。
学校名を書きたいけど、書くことはできない。誰にもバレてはいけない。友人でいられなくなるから。
卒業式の日、彼が友人と肩を組んで校門をくぐり抜ける姿を見た。
誰にもバレずに今日を迎えられた。
私の進学先と彼の進学先は交わることはなかった。
最後だからと、消しゴムと鉛筆を取り出す。
消しゴムカバーを外して、鉛筆を手に取るけど、手が止まってしまった。
やっぱり、彼の名前を書くことは出来なかった。
2/7/2026, 10:52:53 AM