白灰

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昼時、駅のホームで待っていた私の耳に声が届いてきた。階段の裏で恋人同士が話し合っているらしい。


ーーー昨日は、ごめんね。私、貴方に迷惑かけたく
なくて、、、でも、まさか見られてたなんて。


ーーーいや、俺の方こそ。そんなに困っていたなら、
誘ってくれてもよかったのに。


ーーーそんな、できないよ、、、でも、ありがと。
あんなこと、貴方以外に頼めないから。、、、
ねぇ、あの後はどうしてたの?


ーーー大丈夫。いつもの場所に捨ててきたよ。


ーーー本当?、、、ごめんね。私がする筈だったのに。
あの人、執拗だったから。


ーーー仕方なかったんだよ。


私はそれ以来、その駅に近寄っていない。

7/16/2025, 4:24:46 PM