雷鳥໒꒱·̩͙. ゚

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―街―

ファンタジーですが、街のニュアンス系小説です

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『こんにちは!タウヴァンさん』
「おやおやこんにちは、ミネル
今日も本を買いに来たのかい?」
『えぇ、新しい薬草の本が欲しいの』
「あぁ!それなら最近入ったばかりのがあるよ」
『まぁ!本当に?それを頂いてもいいかしら?』
「もちろん、いいとも」
『ありがとう!お代はどうするのがいいかしら…
あぁ、そうだ。丁度タウヴァンさんに似合いそうな
深緑色の帽子があるの。それでどうかしら?』
「帽子かい?そりゃあいい!丁度今のが古く
なってきたもんで、新しいのが欲しいと
思ってたところなんだよ」
『それは良かった。じゃあ決まりね。今から
持って来るわ』
「いや、今度、借りていたバスケットを返しに
行くから、そのときにもらおうじゃないか」
『それがいいわね。じゃあ待ってるわ!またね!』
「あぁ!また今度!」

「いらっしゃい、ミネルちゃん」
『こんにちは、アルビーさん!』
「今日は何を買いに来たのかな?」
『ろうそくよ。そうね…2ダースほど
頂けるかしら?』
「売ってあげるよ。でも、2ダースなんて何に
使うんだい?」
『さっき、タウヴァンさんの本屋さんで
新しい本を買ったのよ。その本に使うわ。』
「ろうそくがなくても本はお喋りさんだから、
読み上げてくれるだろう?」
『そうなんだけど、私はゆっくり自分で
読みたいのよ。だから、本にろうそくを
食べさせて、静かにしておいてもらうの』
「なるほど。本にろうそくをあげると
黙ってくれるなんて、よく知ってるね」
『タウヴァンさんに教えてもらったのよ』
「そうかい。…はいよ!2ダースだ。
お代は1000イェールだよ」
『1000も?お値が張るのね…』
「最近はライアス様の体調が優れないと
聞くからねぇ」
『知らなかったわ。今度ご挨拶に行くときに
様子を診てこようかしら』
「それがいいね」
『はい、1000イェールね。また来るわ!』
「まいどあり!」

『まぁ!ユリーヌじゃない!
具合は良くなったの?』
「…はい……ミネルさんの、魔法薬……
すごく…よく、効きました…
おかげさまで…今は……元気…です」
『それは良かったわ!体調には気をつけてね。
また何かあったらいらっしゃい』
「ありがとう…ござい…ます」

『ジーク!走ると危ないわよ!!』
「あ!ミネルさん!ごめんなさぁーい!」
『そんなに急いで、何をしに行くところなの?』
「ハクアさんのパンを買うんだよ!
お母さんに頼まれてるんだけど、もう
売り切れちゃいそうなの!!」
『なら、急がなきゃね。でも、気をつけて歩くのよ』
「はーい!」

『あら、こんなところに…ヘビ?』
「クッククク!ヘビじゃなーいよ!!」
『わぁ!?メリューズだったのね!てっきり本当の
ヘビかと…』
「やっった!!やっとミネさんを騙せたや!」
『こればかりは気づけなかったわね…
驚いたわ、ほんと!すっかり擬態も
上手くなったのね!!すごいわぁ』
「へへへ、メリュ、上手くなったっしょ?」
『これでみんな騙せるわね』
「っあーでも、ヘビは1番得意だけど、他は
ちょっと…自信ないや」
『 なら、アルビーさんのお兄さんのところに
行ってらっしゃい。確か擬態が大得意だった
はずよ。色々教えてもらえるかもしれないわ』
「じゃあ決まりだな!今日の午後はお昼食べたら
アルさんの兄さんのとこ行ってくる!!」
『うふふ。元気いっぱいね!行ってらっしゃい』

「あら、そちらはミネル様ではなくて?」
『あぁ!リネスエルご夫人ではありませんか!
お久しぶりですね』
「えぇ、お元気でした?」
『はい、もちろんです』
「それはそうと、近いうちにそちらの病院を
伺わせてもらおうと思っているんですの。
診てくださると嬉しいのだけれど」
『まぁ、そうなんですか。ちなみに、どう言った
ご用件ですか?』
「主人の喉の調子が良くないんですの。」
『それはそれは。では喉のお薬を用意して
いつでもお待ちしておりますね』
「ありがとう存じます。では、ご機嫌よろしゅう」
『はい、ごきげんよう!』

『さてと。やらなきゃいけないことがたくさん
あるわね。喉の薬を作って、念の為ユリーヌの
薬もあった方がいいわね。それから薬草の本を
読んで、新しい薬が出来たら保存をかけて、
ライアス様のところにも行かなきゃならないわ。
あぁ、忙しい忙しい』

6/12/2023, 10:46:12 PM