「もうこんなお城嫌よ」
とお城には小さすぎるお嬢様が言いました。
「私は知っているわ。この高い高い塀を超えたら綺麗な街があるのでしょう?この高い高い塀があるから外も見れない。見れるのは空とこのお城だけよ。すごく退屈だわ。」と長々とお母様に話をしているお嬢様。
お母様も呆れて、「外には沢山の悪い人がいるのよ」と
優しく教えました。
でも、お嬢様は納得いかなかったようで、、
「いいえ、そんなことはないわよ。いつも私は塀に耳を当てて外の音を聴いているわ。」
この言葉にお母様は驚きました、
「塀に耳を当てて聴いているのかい?
耳を当てて聞こえるのかい?」
とお嬢様に尋ねました。
「えぇ、退屈な時はいつもよ。
もちろん聞こえるわ。楽しそうな声、鳥が鳴く音、
すごく素敵な空間が広がっているわ。」
お嬢様は見たこともない外の街をまるで行ったことがあるかのように声を高くして話しました。
「そうね。外はたしかにいい音がするわね。でも貴方は行けないわ。貴方はここのお嬢様なのよ。だからお嬢様らしく大人しくお部屋に戻りなさい。」
と終始呆れた様子のお母様。
お嬢様は不貞腐れて、ドス、ドスと音を立てて部屋に
戻っていきました。お嬢様は部屋のドアをわざと大きな音が出るように乱暴に閉めました。
「お母様は何も分かっていないわ。塀があってもあんなに素敵な音が聞こえるのだもの。きっと外に出たって何も起きやしないわ。そして何よ。お嬢様らしくって、ほんとお母様はちっとも私の事をわかってないわ。」
と不貞腐れながらベッドでゴロゴロしていたら、
どんどんお嬢様の瞼が閉じていきました。
数分後にはもうお嬢様の声は聞こえず、
寝息だけが聞こえていました。
1/28/2026, 3:14:50 PM