囚人

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(⚠️グロ⚠️)


可愛らしく喚く彼女の脊髄に、私は噛み付いた。彼女は私に懇願していた。「どうか骨の髄まで食べて欲しい」と、たしかに願っていた。私は彼女の望み通りにした。彼女の項を切り取って、そこから血を啜り、肉を噛みちぎって、彼女を少しずつ体内に吸収していく。彼女は悲痛をあげ、もがき、子供のように泣き出した。しかし、私は止められなかった。本当は引き返すべきだったのだろうが、彼女の血肉を含んで、中毒になっていた。
私は完全に正気だった。彼女の血肉を体に流し込むことを、夢見ていたのだ。夢よりも酷く、不味く、癖になる味だった。ずっと啜っていたかった。しかし、次第に彼女の声は枯れ果て、皮膚は青白くなっていた。彼女は死んだのだ。私の物になったのだ。私に抵抗することなく、一切の拒否もせず、私の犠牲になったのだ。私たちの夢が叶ったのだ。可愛らしい彼女は、私と一体化したのだ。こんなにも幸せな事実は無いだろう。私は余った血肉を喉に流し込んだ。しかし、彼女を完食した途端、吐き気がした。彼女が骨だけになった姿を見て、私は驚愕した。彼女の顔すら分からなくなってしまった。写真にすら撮っていない彼女の顔は、どんな顔だったのか覚えていない。ただ、可愛らしいという印象だけが残っている。しまった、彼女の顔を、完全に忘れてしまった。しかし、彼女の味は、ずっと印象的である。吐き気がする程の、酷く最低な味である。

2/28/2025, 6:00:58 AM