織川ゑトウ

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『人間、常時羨望説』

どこかの誰か
世界のどこかにいる名も知らない誰か

たまに考えることがある。
他人の人生を歩んでみたいと。

それは例えばテストで赤点を取った時。
「どこかの天才になれたなら」
それは例えば告白に失敗した時。
「自分がもっと美人であれば」
それは例えば心が苦しくなった時。
「元から楽観的な性格であれば」

人生羨んでばかりだ。

そう、その天才達だって。

それは例えば頭が良すぎて周りに馴染めなかった時。
「皆みたいに、周りと同じであれば」
それは例えば美人だからという理由で被害を受けた時。
「自分がもっと平凡であれば」
それは例えば他人の心が理解出来なかった時。
「もっと深く考えれる性格であれば」

ここではないどこかで誰かが、また誰かの人生を羨んでいる。こう執筆している間にも、僕も羨まれているかもしれない。
そう考えると意外と僕の人生も悪いものでは無いのかも

まぁ、明日にはまた誰かの人生を羨んで自分の人生を蔑ろにしはじめるのかもしれないけれど。



お題『ここではないどこか』
※蔑ろ(ないがしろ)
羨望(せんぼう)

6/27/2024, 4:53:02 PM