NoName

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死というものをまだよく理解していない頃に亡くなった祖父のことは、いなくなって寂しい、というよりも知らない遠くの街へ行ったままいつまでも帰ってこないなあ、という認識のままでいる。なんだか薄情な孫でごめんなさい。でも、もし故人と誰か一人話せるとしたら、今のところは真っ先にあなたの名前を出すと思う。自室でたくさんの本とクラシック音楽のCDに囲まれていた姿は小さい私にとってはちょっと取っつきにくかったのだけど、今の私にはそんなあなたに聞いてみたいことがたくさんあるのです。

2/28/2023, 1:14:08 PM