NoName

Open App

「私とあなたじゃ住む世界が違う 第七十一話」

志那は、マンションの庭掃除をしていました。その表情は落ち込んでいました。
「最近は嫌な出来事ばっかだなぁ…。カインドにはフラレちゃったし、パズルの皆は帰って来ないし…」
志那は、ふと空を見上げました。空は、青く澄んでいました。
「私に才能があったら、何でも願いが叶って、悩みのない生活を送ってるんだろうな。才能が無いって辛い…」
志那の表情は、曇っていました。
「そりゃあ、勉強もせんと遊び呆けて、なーんも努力しないで、ウジウジしてばーっかだったら、周りの人間からゴミ扱いされるわな!」
志那の側にガーネットが座っていました。
「失礼ね!犬の分際で何よ!」
「俺にはガーネットって名前がちゃんとある。少なくとも、能無し人間のお前とは違って、俺は価値のある人間だからな!」
「犬なのに?」
「お前は犬以下。笑えるーww」
ガーネットは、志那を見るなりゲラゲラ笑っていました。
「何コイツー!」
「どうしました?騒がしいですが…」
アメジスト達、林檎のメンバー達が志那の所に集まりました。
「アメジスト、アンバー、ローズ!俺だよ、ガーネットだよー!」
ガーネットは、アメジストの足にしがみつきました。
「悪いけど、ガーネットは人間だ。犬じゃないぞ」
「迷い犬か何かか?ナイトメア一味やケブバガミの手先だったらやっつけないと…」
ローズは、ガーネットを攻撃しようとしました。
「わー!待ってくれー!話せば分かるってー!」
「二人共、待ちなさい。この犬は嘘は言ってないようですから、話を聞いてあげても良いと思います」
アメジストは、二人を止めました。
「アメジストぉ~ありがと〜」
ガーネットは、涙目になっていました。

アメジストの部屋に入るなり、ガーネットは次々に話し始めました。
「俺、ケブバガミの幹部に追われてて、極地から出たのがシャクに触るのかソイツらから追われている。あと、元の姿に戻せる術師を探している。言っとくけど、俺の外見は薄いベージュの肌、赤い隻眼、赤いアシメカットのショートヘア、細身、ピアスとチョーカー付けてて、クールなビジュアル系ファッションでサバサバしている男だ。覚えてるよな?」
「……」
林檎のメンバー三人は固まってしまいました。
「ゴメンな…思い出せない」
「合ってるかな…?悪い」
「すみません。俺も鮮明には出て来ません」

2/21/2023, 10:53:47 AM