無色の世界の君に憧れて、僕も今ある色を落とそうと思った。しかし、一度ついてしまった色を落とすのは困難で、どうしたものかと考えあぐねていたら、君が、色のある世界に興味がある、と言い出した。それなら簡単さ、と君の手に包丁を持たせ、そのまま手を添えて僕の腹に一突きさせてみせた。目を見開き驚く君に、これで僕と同じ、色のある世界にいられるよ、と笑ってみせた。
4/18/2024, 6:11:27 PM