『突然の君の訪問。』
突然、「君」が私の家に来たらどうしようか。私がこのテーマで書こうと思った時、そこに「君」がいなかった。扉が開かれる瞬間の、あの眩しい光で「君」が見えなかった。そして今、こうして連なる字面を眺めている。こういう時、人はどういう人を思い浮かべるのだろう。大切な人なのか、もう会えない人なのか、会いたくない人なのか、会いたくて仕方ない人なのか。シチュエーションによって、その人によって全く異なる雰囲気を放つのが「君」という人だ。「君」だとか「あなた」だとか、一人称視点から描かれる人は本当に鮮やかなことが多い。いや、私が「君」を描くならば、どんな物語だったとしても、間違いなく、「私」は灰色、「君」は極彩色に描く。そのように定義付けされているかのように。なぜなら、「私」は「『君』のおかげで生きている」と言っても過言ではないほど、「君」の存在を大切に考えるからだ。「私」のそばにいてほしい人を、そばにいてくれる人を大切に考えるのは当たり前の話だ。
ここまで書いて、私の中にやっと「君」が現れた。私にとって大切な人だった。だから、今『突然の君の訪問。』という字面は輝いている。嬉しいからだ。
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君は僕の前に来て
隣に座って話をして
そうしていつしかは去っていって
そこに温もりだけが残って
僕はそれに凍えていて。
8/28/2024, 10:54:16 AM