sleeping_min

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【子供の頃は】(300字)

「君の子供時代は、こーんなにちっちゃかったのになぁ」
 片手でまるいくぼみを作って、あなたがそんなことを言います。
「さすがにそこまで小さくはなかったでしょう。僕が子供のときは、あなたも子供だったんですよ。子供の片手サイズなわけがないです。せめて大人の片手です」
「言われてみれば、そうだったかも」
 あなたは笑い、僕を見上げます。
「でもさすがに、いきなりここまで大きくなるなんて、予想外だよ」
「だって、あなたとたくさんお喋りしたくて……」
 僕は二つに分かれた尾をうねらせました。
「ただの猫だった頃は言葉が喋れず、ぜんぜん意思疎通できませんでしたからね。これからは化け猫として、末長くよろしくお願いしますね」

6/24/2024, 1:47:20 AM