胸が高鳴る
卒業して俺は春から東京の大学に通う。
少しでも早く環境に慣れるために、俺は3月中にあっちに上京することにした。
築20年以上は経っているボロアパートだけど、俺は大学生という肩書きとこれからの新生活に胸を高鳴らせる。
大学の入学が近づくと、次第にアパートにも住人が増えてきて賑やかになってきた。
空き室だった隣にもついにお隣さんが越してきて、昼頃にインターホンが鳴る。
出るとそこには、俺の身長の半分くらいしかない小さい女の子が立っていた。
「…あ、あの、隣に越してきた者です。」
律儀に菓子折りを持って挨拶に来てくれた。
「お、おぉ。あざっす。えーっと…お母さんとかお父さんは?」
あまりに小さいから小学生だとばかり思って親の姿を探してしまう。
「え!?あ!えっと…私、春から近くの大学に通う、大学生でして…。」
「うっそ!俺とタメ?あ、すんません!てっきり小学生かと。うわ〜本当すいません。」
顔を真っ赤にして困った顔をされたから、俺もパニックになってしまいアタフタしていると、彼女は一変して笑いだした。
「ふっ、あはははは!いや、大丈夫です、大丈夫です。ちっちゃいからよく間違えられるんです。改めてよろしくお願いします。」
「……う、っす。」
笑った。初対面で色々と最悪な印象を残してしまったが、彼女の笑顔が今まで見たどんな笑顔よりも可愛くて、俺の胸はまた高鳴った。
3/19/2026, 11:02:03 AM