深く広がる青い空に
平たい雲が羽を広げている
夕暮れ
羽が赤く色づき
東西に青から赤へのグラデーション
ようやく歩けるようになった男の子
何倍ものスピードで世界が動く
世界が広がった男の子は
今度は水に目をつけたらしい
溜められた水の表面をぺちぺち叩く
叩くたびに水が撥ね
大きな波紋が潰される
どぼんと水に手を突っ込んで
ばしゃぁと水をすくいあげる
すくわれた水はボタボタと落ち
からだと地面を濡らしていく
鼻歌交じりに散歩する
気分も合わさり耳も幾分心地いい
そのときフワッと鼻腔をかすめる
まるく広がる花の香り
嗅ぎ慣れない匂いを追って
鼻で探すも見つからない
花を知る術もないまま
いくらか嗅いで諦める
商店街に女の子
楽しそうに踊ってる
大きく跳ねて小さく振って
くるりと回って「はい、おしまい」
決まった形がないものでも
見れる触れる感じれる
見れも触れも感じれなくても
形がないとは限らない
9/24/2024, 11:07:21 AM