月に願いを
夜、外に出て、空を見上げる。
今日は満月の夜。
いつも夜空に無数に瞬いている星々も、
満月の前では、何処か脇役みたい。
よく晴れた夜には、
孤独な日々を送るボクを、
その輝きで慰めてくれる、
大好きなきらきら星たちに、
『今夜だけは、ごめんね』と呟いて。
天高く、神々しくも寒々しい光を放つ、
青白い満月に、願いをかける。
お月様。
どうか、ボクを助けて。
ボクを空に引き上げて、
あなたの周りで、毎夜キラキラと輝く、
数多ある星の一つにして。
月に願いを。
叶うことのない願いだけど。
今のボクには、祈る事しか出来ないから。
でも。
明日の夜から、また。
満月は、少しづつ欠けていって。
そのうち、消えてなくなってしまう。
…叶わないボクの願いと、共に。
5/26/2024, 5:25:28 PM