夢見てる

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秋風

秋風が吹く少し肌寒い夕方、私が新作のコンビニスイーツを食べたいとただをこねて、全く乗り気でない彼を引っ張り外へ出る。初めはブツブツと文句を垂れていたが、何だかんだ着いてきてくれるあたり彼はとても優しい人だと思う。
「さみぃ」少し気が早い彼はもうマフラーをみにつけ顔を埋める。歩いたらあつくなるよ、そう言っても彼は素知らぬ振りをする。
暫く静かに歩いていると、強く風が吹き私たちを縮こませた「さむい~」きゅっと肩を上げポケットに手を入れようとすると、彼のカサついた大きな手がそれを拒む。少し驚いて彼の顔を見る、そっぽを向いた彼の耳は赤く染ってた。
「寒いの?」そう尋ねると、彼はちらりとこちらを一瞥し鼻で笑った。「お前が寒そうにしてたからな」そう言いながら彼の大きな手に繋がれた私の手が彼のポケットに仕舞われる。暖かいねありがとうと彼をみて告げると彼は私の目を見て愛しそうにまた鼻で笑った。

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11/14/2021, 10:46:08 AM