「冬までに…」
私は、キツネ一家の一員、アキ。正確には、本州に生息するホンドギツネ。
キツネには、秋にやらなければらならないことが沢山ある。
まず、衣替え。といっても、人間のように洋服はないので、毛皮をふさふさにするの。次に、きのみ集め。冬眠する時のために、食料を集めておくんだ。でも、いつも通りの量よりは少し少なくてもOK。毎日は食べないからね。あ、ネズミとかも食べるけど、日持ちしないから冬にはあんまり…で、秋のうちに沢山食べておくんだ。食欲の秋だしね〜
これからは、私たちの秋の行動を、話してあげる。
[スポーツの秋]
「アキ〜」ん?「あ、フキノ、どうしたの?」私の友達のフキノが話しかけてきた。「そんなに巣にこもってると腐っちゃうよ。鬼ごっこしよう。スポーツの秋だし、みんないるしさ、」ふと周りを見ると、フユ、ナツ、ハル、ツキ、タイの仲良しさんが集まっていた。「やろっかー」そういってアキは背伸びをした。
「【鬼きめ鬼きめ誰が鬼かな】あ、ハルだー代わり鬼ね」そうやって一番やんちゃなフキノが鬼を決めた。〈よーいどん!〉の合図で、みんな一斉に走り出した。鬼のハルだけは残って十秒数えている。
ハルも走り出した。みんな逃げ回る。「捕まっちゃったー」「次の鬼、ナツね」こうして、鬼がナツに代わった。こうして、鬼が全員に回った頃、お母さんたちの呼ぶ声がした。「ご飯の時間だよー」
[食欲の秋]
あまり仲良くない男の子たちや、一緒に遊ぶには少しばかり小さすぎる子ども、お祖父さんお婆さん、お母さんお父さん、お兄ちゃんお姉ちゃん。
みんな混じって、仲良くご飯を食べた。「みんなよく食べるね♪」「沢山遊んでるからかなぁ」「食欲の秋、スポーツの秋…秋はげんきになる季節だね」大人たちの楽しそうな話し声が聞こえる。
「あ、私のどんぐり取らないで!」「ネズミの丸焼きとって」「熱くて食べられないよぅ」小さい子たちの話し声。「おいしいね」「お母さんたち、ご飯作るの上手だもん」お姉ちゃんたちの話し声。みんなの話を聞いているうちに楽しく、気持ちよくなってきた。
[読書の秋]
ご飯の後は、寝る前の読み聞かせの時間。みんなそろってお父さんのお話を聞く。自分で本をいつも読みたがる子でも、お父さんの話は必ず聞く。
それは、とても面白くて暖かな気持ちにさせられるから。読書の秋。それは、本がとても面白く感じる季節。
[衣替え]
「衣替えをしましょうね」みんなの毛がだんだんふさふさになってくる。暖かで気持ちいいけれど、これから寂しい冬が始まるんだと思うと、少し悲しくなる。でも、こんな時にヤンチャで陽気なフキノがいてくれると助かる。
「おーい!ふわふわでいいでしょ!」かけてきて、自分の毛を自慢した。こうなると、悲しい気持ちも吹き飛んでいく。「いいじゃない。私の毛も見て。」自慢したら、気持ちよくなった。
これからも、よろしくね。
10/22/2024, 11:27:01 AM