無色ってすごいものだ。だって私達が無色なら、何色にだってなれてしまう。
幾重にも花弁を重ねた薔薇のような真紅にも、入道雲を映えさす空のような紺碧にも。もちろん、足跡ひとつない雪のような白や、ぽっかりと月が浮かぶ夜空のような黒にだってなれてしまう。
あの人から黄をもらって、あの人からは緑を。そうやって色んな色が混ざっていく。混じりあった色は、最後にはきっと黒になるのだろう。眩い光すら恐れてしまうような、黒に。
だから私は、そうなる前にあなたの色に染まりたい。私が愛したあなたに。あなたが愛した私を。どんな色にも負けないような、そんな色に染めて欲しい。
あなたに言ったら、嫌だと言われてしまいそう。けれど、私はやっぱりあなたの色がいい。どうか私の無色の世界を、この世でいちばん素敵なあなたの色に染めて欲しい。そうしたら私は、この世界を、きっと今より愛せるから。
4/18/2026, 12:37:08 PM