もし違う場所で僕ら出会っていたら未来は変わっていたのだろうかな。
なんて、そんなもしも話は全くもって意味をなさないんだが。
だって過ぎてしまったことはやり直せない。失って初めて気づくその大切さ。僕は本当に無力だった。
空が。
何とも言えない色をしていた。今にも泣き出しそうな物憂げな状態。もう数分もしないうちに降ってくるだろう。僕の代わりに泣いてくれるというのか。じゃあ僕は意地でも泣かないぞ。君と離れたくらいで落ちぶれたりするものか。
むしろ自由になったんだから喜ばないと。あはは、と笑って空を仰いだ。天から雫が落ちてきて僕の頬を濡らした。まるで涙みたいに流れ落ちてゆく。
泣いてないのに。
泣いてなんか、いないのに。
2/26/2024, 9:03:51 AM