"仲間"
俺には《仲間》なんていらないと思ってた。
《仲間》なんて必要ないと思ってた。
俺は《独り》でいいと思ってた。
《独り》でないとできない事がある。《独り》だからできる事もある。
だから《独り》がいいとも、思ってた。
けれどそれは、《独り》でいる事に固執していたから、『《独り》でいい』『《独り》がいい』と勝手に自分に言い聞かせて、勝手に思っていた。
《独り》だからできる事より、《仲間》がいるからできる事の方が多かった。
《独り》ではなくなった時、俺が目指すものは《独り》では難しいものだったと気付けた。
《独り》じゃなくなる以前の俺よりも、うんと目指すものに近付けた。
数年で身に付いた癖は治らず、今でも独りよがりな言動になる。あいつらを遠ざける。
けれどあいつらは、俺を《独り》にしなかった。鬱陶しいとは思うけれど、心強いと感じる自分もいる。
少しずつ、あいつらに毒されてるのかもしれない。
けれどこれは、俺が選んだ道。後悔なんてない。
自分自身が変わる事も、前へ進んでいる証。
12/10/2023, 1:02:46 PM