ミヤ

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"眩しくて"

ジリジリと焼け付くような光の熱さ。
たった一人に集中する劇場すべての視線。
茫然と座り込むきみを、眩しく輝くスポットライトが照らし出す。

その笑顔も、怒りも、涙さえも見世物。
大衆に消費される娯楽に過ぎない。
喝采を浴びて、あるいは野次を飛ばされながらも、幕が下りるその時までは舞台を降りることは許されない。

俯き、肩を震わせるきみ。
それでも、その身にかかる重圧の一切を跳ね退けて勢いよく顔を上げた。

大きく声を張り上げ、力強く拳を振り下ろす赫灼とした姿にそっと息を吐き、ゆっくりと席を立つ。
劇場の重厚な扉を閉める時、観客席に向けられた瞳と視線がかち合った気がして。
煮え滾るような焦熱の赤を、そこに見た。

8/1/2025, 5:01:13 AM