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新年

ハッピーニューイヤー
2024年 新年あけましておめでとうございます。


なんて テレビでそんな テロップが流れ
テレビ画面は、お祭り騒ぎだ

出演者が着物を着て扇子を持って
馬鹿騒ぎ 大笑いだ。

何がそんなにお目出度いのか
俺には、さっぱり分からない
ただ 年度が変わっただけで なぜそんなに 騒がなければいけないのか....

俺は、欠伸を噛み殺し こたつに入り
みかんを剥いていた。

「何がそんなに目出度いのか...」俺がそう
ぼやいていると 正面から声が聞こえた。

「少なくとも あんたみたいに日がな一日
ゴロゴロしてる奴より 馬鹿騒ぎしてる奴の方がよっぽどマシよ!」

姉貴が呆れた様に溜息を吐きながら
俺の方を見て言った。

俺はジト目で姉貴を睨む

「あんた若いんだから 初詣とか
行って来なさいよ!!」

初詣と聞いて 俺は神社に並ぶ人の列を
想像し 気持ちが悪くなった。

俺はみかんを食べる手を早める。
早く食べて部屋に引きこもろう
姉貴の小言がこれ以上うるさくなる前に

俺はみかんを速攻で食べ立ち上がる。

俺の立ち上がる背中を見て 姉貴は、
何かを諦めた様にまた 溜息を吐き
テレビ画面に視線を向け それ以上は、
言葉を掛けるのをやめた。

俺は、自分の部屋のドアを開け中に
入ると鍵を掛けた。

俺の新しい扉が開くのは まだまだ先だ...
俺の時間だけが古びて 止まったまま
動けない

新年なんてクソくらえだ
時が進んで新しくなるにつれ
俺の時間は、停滞する。

あの日の事が降り積もって
俺の背中にのし掛かる。

クスクスとあざ笑う笑い声 空白の空間だけが残る 俺の席

あの日の出来事がまざまざと頭の中に
蘇り....

俺は、ベッドに入り 布団を被り
両手で耳を塞ぎ 目を瞑った......。

1/2/2024, 2:21:26 AM