恋する乙女―小5女子―

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あー、地獄のような一日が終わった。
私はどこにでもいるサラリーマン。
上司はもはや鬼。いわゆるブラックだ。
どんなに辛いことがあっても、明日は来てしまう。
何度も何度も怒られて、何度も何度も労働する。
――そう、思っていたのに。
次の日、目が覚めると、世界は炎に包まれていた。
これこそ、本当の地獄だ。人々が叫び、苦しむ声がする。
もう、死んでもいいと思っていたのに、嫌になってきた。
死ぬのが怖い。もう一度、お母さんに会いたい。
でも、神様はそれを待ってくれない。
私は火に焼き消された。


ある日、転校生の男の子が来た。
初めて会ったはずなのになんだか懐かしい雰囲気だった。
彼はイケメン(?)らしく、女子からは黄色い歓声が聞こえる。
…でも、私にはそんな事どうでもいい。
クラスメートが一人増えただけで、私の人生が楽しくなるわけじゃないし。
今日、その男の子に、「放課後遊ばないか。」と誘われた。
断ろうと思ったが、、学級委員として、仲を深めようと思い、OKした。
放課後になり、2人きりで遊んだ。…正直、とても楽しかった。
純粋で可愛い、かつての私に戻れた気がした。
でも、楽しい時間ほど早く終わってしまう。気づけば自分の家に帰っていた。
もうクタクタだ。私は吸い込まれるようにして、眠りについた。
その日、夢を見た。昔飼っていた猫が出てきて、それが男の子の姿になる。
夢から目覚めたとき、やっとあの懐かしさの理由に気づくことができた。
転校生は、ちゃちゃまるに似ているんだ。もう会えない、あの飼い猫に。
残念だけれど、ちゃちゃまる本人にはもう会えない。
でも、この新たな出会いを大切にしようと思った。
 
【終わり、また初まる。】

3/12/2025, 1:33:38 PM