黄桜

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「俺、〇〇の事もっと知りたいわ。だから付き合わね?」

そう言った男は、世間全体で見れば好青年だと評価される人間だ。だが、実際は下半身に正直で女を取っかえ引っ変えするのが日常の下半身馬鹿である。

「ねぇ、〇〇聞いてるー?」

煩わしい声だ。男の声は明らかに機嫌をとるための猫撫で声であり、背筋と脳ミソに電気信号が流れる時特有の痺れが生じた。
何度私が仕事帰りの疲れた体が求めていた睡眠をお前の連れ込んだ女とお前のせいで邪魔されたと思っている。

「そう、ならこの前くれたプレゼントのお返しをしたいから君の家に行っていいかな?」

「その時に返事もするからさ。」

「マジ?ちょー嬉しい!プレゼント楽しみにしてる。」

「えぇ、私も楽しみよ。じゃ、おやすみない。」

そのまま電話を切ると、私は1階に降りて食事の用意を始めた。男の顔を浮かべながら、何を送ればあの男が酷く怒り狂うか考えながら調理をした。


もっと知りたいは、命取り。

お終い


秘話

前回の話と繋がっています。
犯人が男を殺した理由の正体がこの話であり、男が誰かと言い合っていたという話の真実。

3/12/2024, 11:00:01 AM