†心の迷路† または【灰色の夕闇に沈むLABYRINTH】
今日もオレは独り、手のひらに刻まれた「運命」の数々を見つめる。
未来なんて知らない知りたくない、刻まれているのは人生と言う名の迷路の出口を示す地図なのか?
知らない場所へオレを連れ出す路線図なのか?
すれ違う人々、真っ黒い服ばかり着てやがる。
教室の奴等も皆(みな)、真っ黒い服ばかり。
オレもそれに流されてしまうのか?
ボタンを引き千切る。
心を引き千切る。
滴る真紅の雫。
言いなりになんてならない。言いなりになんてならない。
お前等には分からない。
このオレのLabyrinth。。。
――だけど、この息苦しい迷宮を抜けた先に
君がいる、君がいたんだ
君の斜め後ろ45℃の横顔に宿る、神。
オレに降り注ぐ閃光が――――――――――
――ここで私は耐え切れず古びたノートをベッドに投げ棄てた。
探し物の最中に、クローゼットの奥で一冊のボロいノートを見つけてしまった。
『Top Secret Note』と、異様に耽美に飾り付けられた文字で書かれている。
中学2年の頃の自分が思いの丈をぶつけたノートだ。
二十年以上が経過すれば思春期の戯れ言を「かわいいもんだね」と微笑ましく読み返せるかと思ったのだが。侮りがたし、中二の攻撃力。
痛々しさが全く鮮度を失っていない。
このタイムカプセルは中年の精神を抉る。回復力も落ちるお年頃だ、勘弁してくれ、許してくれ。幼いあの頃の自分に命乞いをしてしまう。
更に怖ろしいことがひとつあり、このノートの表紙には「vol.2」と記されている。
第一弾はどこにある?
遠い遠い記憶、当時謎の万能感に背を押され……友人に貸した記憶がある。
返して貰ったのだろうか、返して貰って私自身が処分したのだろうか。どうしても、どうしても思い出せない。
友人よ、断捨離に目覚めていてくれ。
こんまりメソッドに取り憑かれていてくれ。
ああ、そうして今宵も私は、心の迷路に迷い込む。
やかましいわ。
『心の迷路』
11/12/2025, 12:22:33 PM