はやく、はやく捜さないと。
一日でも、一秒でもはやく捜し出して、すぐにでも抱きつきたい。
そこら中に散らばる瓦礫の隙間から“そこにいた”僅かに存在を主張する赤。
雨が降ってすっかり濡れきった髪や、肌に引っ付く服の不快感は無視して、瓦礫をかき分け、喉が枯れるまで叫んだ。
あいつらは死になんてしないと思いながら、僅かな希望だって縋った。
頼むから、奇跡でも起こしてくれ、と思う。
ゲームで逆転勝利したときのような、アイスで当たりが出たときのような、そんな奇跡とは比にならないくらい大きな奇跡を。
奇跡をもう一度、と
10/2/2024, 10:07:58 AM