夜明け前に彼女はやっと帰ってきた。
表情がぎこちない、動きがゆっくりでクセが有る。そう思った瞬間、呪物で彼女の手首を縛っていた。
彼女は戸惑っていてもいつものように俊敏に動かない。動けないんだ。彼女をソファに転がす。
「アイツに何を…されたんですか」
「止めなさい和樹!」
「命令ですか」
「そう!命…っ」
言い掛けたその口を右手で封じる。そのままコートの前開きを破るように開けて、衣服に進入する。
「やめて」
細い声を聞き流してそのまま白い素肌を空気に晒す。
ぴりぴりとした共鳴音で体が止まりそうだったけれど必死に抵抗し続けた。
柔らかい素肌に触れた瞬間、ナナの声は止まった。悲鳴を押し殺したような怯えた声。
「なんですかこれ…」
白い肌には真っ赤な痕と水ぶくれができていた。
火傷…? ナナは片手でこれ以上はダメだと必死に胸を抑えている。もう片方の手は顔を覆い、まるで見られたくないかの様に恥じている。自分に…?自分に恥じているのか?
背中にも赤黒い跡や噛み跡が…。それを見た瞬間、頭の中の線がブチブチと千切れていく音を聞いた。
「誰にやられたんですか!!!」
半裸になった彼女を無理やり起こして問いただす。
あんなに真っ白で綺麗だったのに。
いつの間にか彼女は涙でいっぱいになって半狂乱で答えた。
「いつもの人よ。毎日のように出て行っていってたでしょ」
なんで今問いただすんだという疑念のような目線が刺さる。僕のためだとでも言うのですか。
触れている素肌は滑らかで、でもある一定の場所までたどると、ケロイドとなった部分と出来立ての傷に指先が当たる。呪った。今まで声掛けを渋っていたことを。
彼女なりの時間が必要なんだと勝手に…。
こんなの到底受け入れられない。
今日の心模様…
いや、もう大荒れのどしゃぶりの積乱雲乱入で入り乱れやて…めちゃくちゃですよって
4/23/2026, 6:39:56 PM