始めは一つの声でした
ゆるりゆるり伸びていく声が
重なるのも直ぐでした
高くは弾み 低くは奮わせ
重なり合って色をなす
それは一つの歌でした
弦を叩いた優しい響き
革を叩いた重い衝撃
金を叩いた煌めきの波
木を叩いた暖かな転がり
歌に寄り添い色を染める
それは一つの曲でした
並ぶ足裏が地面を擦り
張られた生地の一揃い
拍子を取る手 骨鳴る指先
曲と共に物語を成す
それは一つのステージでした
やがて床も笑いだし
壁もぽろぽろ震わせる
拍手代わりを降らす屋根に
遂に柱は悲鳴を挙げ
それは
それは一つの心中でした
<カラフル>
5/2/2024, 10:04:29 AM