「逆光」
眼の前に竚む人影。
『あなたは、誰?』
呼び掛けても返事はない。
『あの、ここは…?』
尋ねても返事はない。
〈そうね。ここは、ここ。わたしは、あなた。そう応えるべきかしらね。〉
顔も見えない。表情は分からない。
眩し過ぎる光源を背にして、視線の先の何かを見上げている様だったけれど、その人影が何を見ているのかは、振り返っても分からなかった。
〈ようやく…。ここへ、辿り着いたのね。〉
悲しげな声が、ホッとした様に零れ落ちて来た。
《良かった、また逢えた。》
2つの声が、同じ言葉を紡いだ。
あぁ、ここは夢の中だ。
そして、いつかの、あの日の私たちだ。
《良く、頑張ったね。私たち。》
さぁ、始まりの日にしよう。
1/25/2026, 9:23:29 AM