何気ないふり
彼女に、死神に花束を渡したいと思い悩みながら数日がたった。もう死ぬまであまり時間がないからそんな余裕もないのだが。それでも死神のすました顔を崩してみたい、そう思いながら何気ないふりで訪れた彼女にこう聞いた。
「ジャック、あなた好きな花はあるかしら?」
死神は一瞬かたまり、こう答えた。
「ジャックは花を見たことがないので、好きも嫌いもありません。人や動物ならまだしも植物は枯らしてしまうので.....。」
表情は相変わらず無表情だったが、どこか悲しげな雰囲気でそう答える。
「そう....。」
そう答えるながら、どうしたものかと心の中で頭を抱えていた。
3/30/2026, 5:35:00 PM