星乃威月

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傘も指さずに、雨に打たれながら佇む君

何をしてるのだろう……


声をかけようとしたら、君は振り返った

泣いていた


泣き声が聞こえないように

誰にも心配かけないように

迷惑かけないようにと

人気のな居場所を敢えて選び、泣いていたらしい


「どうしたの?
 何かあった?」


居たたまれず、声をかけた


「いい
 話したって、どうにもならないことだから」


君はまた、遥か向こうを振り向いて

声を殺して、再び泣き続けた


何も出来ない

その悔しさに苛まれ

悔やんでも悔やみきれずに、泣いてるのだろう


辺りの雨は、まるで君自身の心を映したかのように

暗く荒んで、荒々しかった


君の心に

希望の灯火となる晴れ間が訪れますように……


俺は、願うしかなかった



ー雨と君ー

9/8/2025, 8:53:42 AM