どうすればいいの?
ーガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン・・・
夕方の電車の中で、僕は心臓をバクバクさせながら、鞄を抱えてシートに座っている。
なぜ、心臓をバクバクさせているかって?
その理由は・・・
「・・・う〜ん」
なんと!隣にいた人が寝てしまい、もたれかかってきたから!!しかも、同じ学校の女子!
今日は職員会議だとかで、部活は休み。みんな下校時間は同じだった。微妙な時間帯で、電車はかなり空いていた。僕と彼女を含めた電車組も乗っていたが、最初の方の駅で降りている。つまり、この車両には僕と彼女ぐらいしか乗客はいなかった。
疲れていたのか、彼女はなかなか起きそうもない。最初は驚いたけど、肩にかかる頭の重さや髪のいい匂いにグラッときてしまい、起こさずに今に至る。
ーなんか、今日はついてるなー♪
なんて考えていたら、もうすぐ僕が降りる駅が近くにあることに気づく。
「えっ!嘘!・・・あのー、すみません起きて・・・」
僕がみじろぎしても、爆睡しているのか起きる気配がない。さらに困ったことに。
「!?」
いつのまにか、腕をがっちり掴んでいて、僕は立ち上がれなくなっていた。そのタイミングで僕が降りる駅に着いてしまう。ドアが開いて、少ししてまた閉まる。
「えっ!待って!あー!!」
無情にも電車は僕が降りるのを待たずに出発してしまう。
「どうすればいいの?」
結局、僕は彼女と一緒に電車で揺られているままだ。
その後、起こした彼女にひたすら謝られ、一緒に駅を降り、彼女の家の人に車で家まで送ってもらった。
次の日、学校でまた彼女が謝って、お詫びを持ってきたことから、みんなに何があったと聞かれることになるが
それはまた別の話。
11/21/2023, 10:38:11 AM