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もしも世界が終わるなら


創造主
「もうこの世界は終わりにしてもいいのかもしれん」

部下
「待ってたんですよ、あなたのその意思決定。世界をクローズしていただけるんなら、助かります。フルコミットでやらせていただきます。勿論ASAPで。スピード感持って回しましょう。ユーザーへの事前アナウンス無しでいいですよね?」

創造主
「いやいや、待て待て……人類にはそれとなく知らせた方がいいのではないか。一ヶ月……せめて一週間前には」

部下
「そのリードタイム、何の為に取るんですか?」

創造主
「え〜?んーと例えばその間に愛を確かめるとか罪を悔い改めるとか……」

部下
「今さら人類のエンゲージメント強化しても期待されるシナジーは出ません。ソロユーザーなら即時終了希望でしょう」

創造主
「うーん……終焉の前に彼らに自らの人生を省みる機会を与えてはどうかね?」

部下
「ROI見合いません」

創造主
「ていうか最終的には私に救いを求めて欲しいんだよねえ……」

部下
「なるほど。そこでクローズした方が無慈悲感強めに出せますね」

創造主
「だろう?」

部下
「さすがです、そのブランディング力」

創造主
「褒めてくれてるなら嬉しいよ」

部下
「じゃあこの件、私の方で進めておきます。一週間後には世界終焉、デリバリーできてると思います」

創造主
「まあ一つよろしく頼むよ」

部下
「あの……ボス」

創造主
「ん? どうした」

部下
「プロジェクト終了後は僕ら二人きりになります」

創造主
「まあ、宇宙が一つ減るのだからな」

部下
「でしたら次は……本気で僕らのエンゲージメントについて考えませんか?」

創造主
「……ん?」

部下
「フルスケールで強化しましょう。ASAPで。恒久的にディープダイブし、スコープアウトはゼロベースで削除します……」

創造主
「正直、君の使う用語は私にはさっぱり理解出来んのだが……まあ、二人きりになるのだし、君のいいようにしたまえ」

部下
「はい、ありがとうございます。そうさせていただきます、僕ら二人きりになるので……恒久的に……二人だけで……」




9/18/2025, 11:58:38 PM