しそひ

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いつまでも捨てられないもの
「柘榴さん、捨てられないものってあります?」
「ねえな。というか捨てたいものばっか」
「えー!?思い出を置いとけないとか、薄情、」
「うぜえよ。過去が全部輝かしいものだと思うなよ馬鹿」
「柘榴さんがそんなに言うなんて……なにがあったんですかー?ほらほらこっそり教えてくださいよ」
「デリカシーって言葉はお前の脳にねえようだな」
「ないですねー!秘密は秘密にしておけないタイプなんで!」
「クズすぎるだろお前。というかどうなんだよ」
「なにがです?」
「話振っておいて忘れんなや。……あれだよ、捨てられないものだっけか」
「あーそうっすね……このリボンは捨てられないですね、どうしても」
「へー。なんか特別なものって感じでもなさそうだけど?」
「奴隷の時代だったとき、輪廻さんがわたしたちを買ってくれたあと、このリボンもプレゼントしてくれたんですよ。絶対捨てられないなあ」
「は、先生からのプレゼント!?ボロボロになろうと使えよてめぇ」
「捨てられないって言ってるじゃないですかー。というかこの身が滅びようとリボンだけは綺麗にさせていただきますよー」
「当たり前だ。お前より先生が選んでくださったモノの方が価値があるに決まってんだろ」
「はいそれ特大ブーメランでーす」
「は?承知の上だが?」
「というか柘榴さんよりわたしの方が輪廻さんと仲良いですしー。プレゼントもらいましたしー」
「ナメんなよ。俺この前先生が微笑みかけてくれたからな」
「うわずるいずるい。ワイロじゃないっすか」
「ちげえよそんな汚い大人じゃねえし」
「いやいや汚れきってます」
「?なにかございましたか。中之条雅さん。黒薙柘榴さん」
「いえ輪廻さん!なんにもございません!!」
「そうですよ先生!僕ら超仲良しです!」
「そうでしたか。何より嬉しいことです」
「……天使ですね」
「いや、神様に決まってる……」
「わたしら何話してましたっけ」
「知らね。ゴミみたいな話じゃね。先生の微笑み見れたし仕事行こうぜ」
「サーイエッサー」

8/17/2023, 1:51:04 PM