わんにー (旧)まっかっろっん

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12時を指す時計を見てから涙が止まらない
いつかは離れてしまうんじゃないかと、
貴方からの愛が尽きてしまうんじゃないかと、
1秒前まで、純粋に貴方のことを愛してたのに
確証のない不安が、部屋にただ1人の私を
突然襲った

「ガラスの靴で時を繋ぐような
 清らかで美しいお姫様にはなりたくない」

夜の寒さで冷えきった足には
もっと別の、ヒールの高い靴が
より似合うことを知ってる
日付が変わった瞬間の、今の彼女は
ふんわりとした儚げのドレスは
どうやら気分じゃないみたい

「時計の針が上を指した時に、魔法が解ける?」

悲しさが溢れるのは、
ボロボロの身なりになった一瞬だけ
それが終われば、また貴方を愛することは出来る

「それは魔法が解けたんじゃなくて、
 ベロベロに酔ってた恋から少し醒めただけ」

温かい愛も良いけれど、心酔した恋も悪くない
一抹の不安なんて、全て吐き出して強くなってく

「女の魔法に期限はないの。誰かを愛する時は
 ちょっとした不思議な力と、心にほんの少しの
 アルコールを垂らすだけで楽しくも切なくも
 なるのよ」

時には盲目になるくらい浴びるのも
素敵なものだけどねと
そんなことを語った彼女は、
確かに「灰かぶり」という名前は付けられない
酔いから醒めた私は、また心から貴方を愛する
そんな私が
今この瞬間、1番輝いてる


時計の針

2/6/2024, 5:16:48 PM