題:解けた靴紐、結ばれた恋
「ど、どうでしょうか……」
「あらぁ、似合ってるじゃない!ねえ、二人とも」
「はい、すごく似合ってます!」
「やっぱ美人って何でも着こなしちゃうんですね……羨ましい」
今日、私含めた四人はトーキョー巡りをするの!
といっても、ロゼッタ達は有名人だから、多少の変装はするわよね……(多少というよりは服装変えるくらいで、三人はバレても問題ないそう)。
今日のロゼッタの服装は紺のスニーカーにこれまた紺のジーパン、黒い長袖服に青の上着、そしてまたまた紺の帽子。
「紺色系なのね」
「はい、私には一番紺が合うと思ったので……」
さすが。自分の似合う色をよく知ってる。ちなみに私は黒系で揃えてるわ。黒のキャビネットに黒のロングコート、黒いタイツに黒のパンプス。
結構似合ってると思うんだけど……。あ、このコーデはオデッセイであるわよ。
「それじゃ、トーキョー巡り、始めますかー」
「そうね」
「おー!」
「元気ですね……」
リンクの掛け声で出発。元気な私達とは裏腹に、ロゼッタはげんなりしている。そんなにあの服装が嫌なのかしら。
♡ ♡ ♡
色々なところを巡って、旅館への道についている時。ふと、ロゼッタのスニーカーの靴紐が解けていることに気が付いたの。
「ロ……」
「ロゼッタさん、靴紐が解けていますよ」
教えてあげようと思って言葉を発した瞬間、リンクが先に答えてしまったの。ちょっとムッとしちゃったわ。
「え?…あら本当。結び直さなくては」
「俺がやります」
おお。今リンクに片思い中のロゼッタにいきなりそれはいけるのか?大丈夫?
「ありがとうございます……」
「いえいえこれくらい、どうってことないです」
そう言うとリンクは、ロゼッタに優しく微笑んだの!王子様か神が降臨したのかと思ったわ。
「っ……!」
ほらほら、ロゼッタの顔がどんどん紅くなってきたじゃない。それくらいの破壊力よ。ロゼッタみたいな恋愛未経験者が喰らったら、たまったもんじゃないわ。
「え、どうしたんですか、ロゼッタさん」
「い、いえ、これくらい、どうってことないです……」
「それ俺がさっき言ったセリフですね」
「!……」
あーあーあーあー、もう限界よね、ロゼッタは耐えられないわ。私が止めさせないと。
「靴紐は結べたみたいだし、早く行きましょう。待たせてはいけませんわ」
そう促してリンクを前に出し、私はロゼッタの隣に並んだの。それでね。
「どうやらむすばれたみたいね、恋」
「っ!ちょっと、ピーチさん……!」
「ふふっ」
ロゼッタとリンクの恋が無事結ばれたことを、私はロゼッタに小声で伝え、心の中で密かに祝っているのでした。
お題『靴紐』
9/18/2025, 10:06:19 AM