"特別な存在"
人気の無い場所や、自分達以外の出入りが無い室内のみ。
男の、ましてやあれだけ動くのに摂取カロリーが少ないせいで余計固い俺の膝枕の何がいいんだか。
よく所望されるが、本当に物好きだ。
足を閉じてやると、ゆっくり頭を乗せる。そして俺の顔を見上げる。
愛おしいものを見るような目で。
「……なんだ」
「いや、なんでも無い」
ふっ、と笑いながら瞼を閉じる。
──人の顔ジロジロと、そんな目で見て……言いてぇ事あんなら言えよ。
だが、言霊にはしない。
ゆったり流れる静寂な時間の中で、少しでも長く心身を休ませる為に。
3/23/2024, 11:52:50 AM