※少しホラー要素が混じっております。
「桃(もも)達は一生友達だよね!」
「と、そうだね」
友達?聞こうとしてやめた。どうやら桃ちゃんは私の事を友達だと思っていたらしい。
「じゃあずぅーっと一緒にいようね」
「………」
「桃ー!」
「……ママ来ちゃった」
「うん」
「なんでさっき答えなかったの?一緒いたくないの?なんで?ねぇ、答えてよ!」
「そうだねって言おうとしてた」
「…そっか!」
「ほら、桃、帰るよ」
「…えりかちゃんは?さっき、ずぅーと一緒にいるって約束したの」
「えっとね桃、えりかちゃんにもお母さんとかがいるんだよ、だからずっと一緒にいる事は無理なの」
「やだやだやだ!!一緒にいるって約束したもん!!!」
「……ごめんね、えりかちゃん。こんな子だけどこの先も仲良くしてくれる?」
「はい」
「えりかー」
「私もお母さんが来たので…さようなら」
「ほら、桃、さようならって言いなさい」
「…………………」
「拗ねちゃったみたい、本当にごめんなさいね」
「いえ、じゃあ」
『〜で、跳ねたあと逃走したと言うことです』
テレビから聞こえてくる無機質な声で目が覚めた。
「えりか…桃ちゃんが…」
「うん、見たら分かる」
「………桃ちゃん……」
「お母さん、泣いてるの?」
「……」
「えりかちゃん」
後ろから桃ちゃんの声がした。
「桃ちゃん?」
「うん!これで一生一緒にいられるね」
クスクスと笑う声が聞こえる。
「えりかちゃん、嬉しいよね」
「……嬉し…く」
「嬉しいよね?」
「………嬉しい…よ…」
「桃もね、嬉しい!」
「…そっか、良かった」
「もう一生どこにも行かないでここで過ごそうね!えりかちゃんは桃だけの友達だから」
「桃、ちゃん、それは」
「ん?」
「……分かった」
「嬉しい!」
「じゃあ本当に」
桃ちゃんの足や腕がボキボキとおぞましい音をたてながらあり得ない方向に曲がっていく。
「ふだぃ゙だげだねぇ゙?」
体中から血が吹き出してきた。
「ぅ゙ぇ゙じぃ゙なー」
私はこれからも桃ちゃんと死ぬまで一緒にいることになったみたいだ。
一生一緒に…。
ーこれからも、ずっとー
4/8/2024, 10:57:12 PM