0からの
「君を殺して私も死んで、全部0からやり直そう。」
少女は、笑うような泣くような顔や声や手で、
僕の目をじっと見つめる。偽物の黒い瞳は、その真意を隠そうとする。瞼が腫れたように見えたけど、少し不自然なアイラインのせいかもしれなかった。
「そんなに、うまくいくかなぁ。」
僕の声も揺れていた。でも、わざと大げさに笑ってみたりした。
「最後は、めぐみさんでもパパでもなくて、君の記憶で終わらせたいの。だめ?」
君の甘い声に、僕の負けだと思った。
来世がもしもあるなら、ヒトでも、イヌでも、ネコでも、カエルでも、なんでもいいから、君と同じ星の同じ国で何の心配もなく生まれますように。
三、二、一、、、ぜろっ
2/21/2024, 3:26:42 PM