ココロ
夜の静寂に沈む部屋。
私と貴方だけの、
小さな世界。
貴方を失い、
私の胸は、
空っぽになりました。
嘗て、ここにあった筈の鼓動は、
何処か遠くへ、
消えてしまったのでしょうか。
それとも――最初から、
存在しなかったのでしょうか。
風が吹いても、雨が降っても、
私は何も感じません。
ただ、世界が動いていくのを、
ぼんやりと眺めているだけ。
遠くで、誰かが、
私の名前を呼んだ気がしました。
けれど、それはもう、
私には何の意味もない事。
この身体は、ただの器。
この瞳は、ただのガラス玉。
私がココロを失ったのは、
いつだったのでしょう。
それは、きっと――
貴方の全てを、
私のものにしようと、
その温もりを奪ったあの日。
だって、私のココロは、
貴方がくれたもの。
…だったのですから。
2/12/2025, 7:44:31 AM