みみかゆい

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さよならを言う前に、
貴方に今までの感謝を伝えたいと思います。

私がまだ18歳の頃、
当時大学生だった私は日々の生活費を稼ぐため、とあるチェーンの飲食店でアルバイトをしておりました。

深夜の1時まで営業するその店で私は連日のように閉店まで働き、心も体も疲弊しきったある日曜の閉店5分前に貴方はぞろぞろと十数名の客を連れて現れました。

店内は私と店長の2人きりで、あの時どれだけ大変だったかは貴方もよく理解しているでしょう。
絶望や怒りなど通り越して、涙が溢れてきたことだけは今でも覚えています。

最後に会計をしてくれた時、貴方は「ありがとう」とニッコリと笑っていましたが、私がどんな顔をしていたかは今ではもう覚えておりません。

その日を境に貴方は毎週のように来てくれるようになりました。
毎度、同じ人数を引き連れて。

そんな出会いだった私と貴方が、今では同じ会社で勤める上司と部下の関係になっているだなんて、当時の私は夢にも思っていなかったでしょう。

因縁じみた出会いだったからこそ、別れることに名残惜しさも感じています。

今まで、本当にお世話になりました。

さようなら

8/20/2023, 2:14:20 PM