雪白の月①

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#何もいらない


私は、ソファーの上でTVを観ずにボーッとしていた。
(これは夢なのか、幻想なのか。)
そのままソファーで眠りについて朝になっていた。


今日は仕事の面接。
親も早くからいなく、兄弟も祖父母もいない。
だから私が頑張らないといけない。


私は孤児院にずっといた。
いつも独りだった。
高校にはなんとか行けて、彼氏もできたけど
事故で帰らぬ人となりまた1人。
私も死のうと思った。だから海へ行き死のうとした。


なんて思いながら面接も終わり帰ろうとしたら
涙がひとつ、またひとつと零れ
(あ、苦しい。胸が痛い。張り裂けそう。)
と思って目の前が真っ白になった。


(あ、周りに人がいる。大丈夫、大丈夫。)
と自分に言い聞かせた。


剛輝「あの人溜まりなんなん?」
光汰「あーなんかあったんかな」
光汰が人溜まりに行った。


光汰「剛輝!この子って!」
剛輝「なんなん?なにーよ。」
剛輝は近くに行くと
剛輝「梨雪?!おい、目開けろ」


そのまま救急車に乗り込むと
光汰「お前も行ってやれ、そばに居てやんな」
剛輝「お、おう。ありがとーな」


1時間後、梨雪は目を覚ました。
梨雪『ん、、、?剛輝さん、、、?』
剛輝が手を握りながら眠っていた。
剛輝「起きたか?どうだ?具合は。」
梨雪『うん、へーき。なんで?いるの?』
剛輝「おーなんでやろなー笑 梨雪が連絡くれないから
探してたらお前を見つけたら倒れてて笑」
梨雪『ごめんね、ついてくれてて』
剛輝「お前、ご飯食ってるか?一人暮らし?家族は?
連絡しやんと心配すんで?」
梨雪『私、親早くに死んでるしおばあちゃんもおじいちゃんも兄弟も親戚も誰もいないから。ひとりなんだ、ずっと』
剛輝「そうか、、、ごめん。変なこと言ったな。」
梨雪『みんな家族いると思うよね、しょうがないよ。気にしないで。ずっと言われ続けてるから慣れてるよ』
剛輝「しばらく俺ん家いろ、飯ちゃんと食うまで家には帰らせん!わかったか?」
梨雪『それは無理だよ、だって。』
剛輝「無理もだってもなし。帰るぞ」


そう言われ、剛輝の家行くことになった。
温かいご飯、お味噌汁、野菜炒めなどなど作ってくれて
ひとりでご飯食べてても美味しくなかったけど
2人で食べるご飯はとっても美味しく感じて
またひとつ涙が出た。


梨雪『ごめんなさい、また泣いちゃってるね』
といい席を立ったら、剛輝に手を引かれ抱きしめられた。
剛輝「泣け、俺がそばにいるから。」


この瞬間、
神様?何もいらないからこれ以上私から奪わないで。
と強く願った。

4/20/2023, 4:37:35 PM