ヨルガオ(短編小説)

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「あっち〜……」

白く光る太陽に照らされ、陽炎が見える。

『こっちだよ』

「…ん?」

声のする方に顔を向ける。

広いひまわり畑だ。

その中で麦わら帽子が動いている。

ひまわりの背が高いので、帽子から下は見えない。

『早く早く!!捕まえてみてよ』

声からして女の子だろう。畑を走り回っている。

「あ、ちょっと待って!」

ガサガサとひまわりを掻き分けながら進む。

「はぁ、はぁ、」

「……捕まえてたっ!!!!!」

女の子の手首をガシッと掴んだ。

「…………あれ」

感触が、変だ。なんだか…ガサガサしている。

しかも、捕まえた瞬間から………動いていない。

ひまわりをゆっくり掻き分ける。

そこには麦わら帽子をかぶった、古びた一体のカカシが立っていた。


ー麦わら帽子ー

8/11/2023, 2:15:09 PM