檸檬爆弾に妬けていた。
海で叫ぶひとが妙に羨ましかった。
冬に半袖で駆けるひとに憧れていた。
本質はきっと空虚な幻想だった。
ああすればこうなるという妄想に耽っている。
私はひとり、スニーカーを浜辺に沈める。
それは惑星だった。
少なくとも地球ではなかったが、水星や金星ほど小さくはなかった。
天王星や海王星ほど遠くはなかったが、木星や土星のように大きくはない。
今になって思い返せば、それは月だった。
衛星だった。
遠くの空を見た。
月が浮かんでいる。
人間が勝手につけた名前を、勝手につくったイメージやストーリーを、知ってか知らずかのうさぎ模様。
太陽がいないと輝けない。
もしかしたら夜の月は、太陽が『ずっと見てるよ』と示す為のオブジェなのかもしれない。
喃語を発した。
私は愚者だった。
死ねるほど強くもなかった。
自分は人間ではないと思い、どこかの名も無き星からの留学生と定義した。
あの西の空の小さく見える白き恒星だけに、私の居場所があるのだと、自己中心的に考えた。
いつか出逢う故郷のひとへ。
私が私になれるのはいつでしょうか。
遠くの空へ
4/13/2026, 3:57:00 AM