『桜散る』
川の流れる音にそっと耳をすませば、少し遠くの公園から子どもの笑い声が聞こえてきた。
素足になり川に足を入れれば、少しひんやりとした水が心地よかった。
ふと見上げれば、散り残った桜がやわらかな緑に溶け込んでいた。
ヒラヒラと舞い散る桜の花びらを思わず掴んだが、息を吹きかけた途端あっけなく手を離れていった。
川へ落ちたそれは、もう二度と戻ってこないように、ゆっくりと流れていき、とうとう見えなくなった。
綺麗だと思ったときには、もう届かなかった。
4/17/2026, 3:45:47 PM