暁 瑞稀

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『平穏な日常』⚠️ホラーとグロ注意⚠️
 
 いつもは怒鳴り声の止まない家が、今日は酷く静かだ。
 これが平穏と言うやつなのだろうか。これが毎日続けばいいのに。そうすれば毎日怯える必要が無くなる。
 殴られない、怒鳴られない。部屋が静寂に包まれていて、時計の音だけが鳴り響く。
 いつもなら怒られる料理も、今日は怒られない。思う存分美味しいものを作ってみよう。そう思い調理に取り掛かる。
 肉を切って焼いて、塩コショウで味付けをする。次はみそ汁を作る。新鮮なみそが手に入ったので早速使ってみた。味見をしたがなかなかの出来だった。
 最後はデザート。丸いゼリーの上に赤くドロっとしたソースをかける。
 完成した。それをリビングに運んで一人で手を合わせる。
「頂きます」
 まずは肉。中々に噛みごたえがあって脂も乗っている。こんなに美味しいものは初めて食べた。
 それからみそ汁を飲む。いい感じに出汁が効いていてこれもまた美味い。汁ごと入れてよかった。
 最後はデザート。赤いソースの光るプルンとした丸いゼリー、これも甘みと瑞々しさが際立っていて、あっという間に食べきってしまった。
 嗚呼、美味しかった。好きに料理しても怒られない。こんな平穏な日常が続けばいいのに。
 遠くでサイレンが鳴っている。物騒な世の中だ。満腹で機嫌がいい僕は、片付けを再開するのであった。
 

 そう思う彼の足元は赤い血溜まりが出来ていて、頭のない遺体と腕の無い遺体が転がっていた。
 鍋などには調理された被害者の断片が確認された。
 数分後、警察が到着して彼を捕まえた。その際に彼は一言、こう言った。

 
「ご馳走様でした」

3/12/2026, 5:35:23 AM