『終わりにしよう』
「ふう、もう今日は終わりにしよう」
モニターを眺め疲れた眉間をぐりぐりと揉んで、首を左右に傾ける。
画面の中では、かつては青く美しかった彼の作品が、随分と色褪せ、赤茶色に変色してきていた。
「だいぶ濁ってきたなぁ」
それに煩雑で喧しく、見ているだけで忙しない。以前は、もっとゆったりのんびり眺めていられたのに。
手を加えることもチラリと浮かんだが、もう手遅れな気がする。
いっそ作り直すか?
いや、面倒だな。
「もう、全部終わりにするか?」
いやしかし、と腕を組んで考える。
これでも結構、愛着があるのだ。
なにせ46億年も眺めていたのだから――
7/16/2024, 9:56:43 AM