彼とわたしと

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 「時を告げる」ようにそれはやってきたんだよ

 私と君は仲が良かったものだから、私からの愛情と、君からの友情は途切れないんだと思っていた。私よりも仲のいい友人なんて君にはできっこないし、私だって君よりも好きな人ができるはずもない。

 4月になってクラス替えをしてからもう5ヶ月、君は他の人とも友達になってしまった。当たり前なのだけれども、私の知らないところで私の大好きな君が他の誰かと話しているのが、許せなかった。

 そんなことを言いつつも私は、新しく来た先生に恋をしていた。彼の言葉はすごく綺麗で、私は魅了されてしまった。あれだけ好きだった、君を差し置いて。

 5ヶ月間、私の嫉妬と、君の良くわからない冷酷さのせいで、いつもみたいに話せなくて、「寂しい」とふと思った時、気づいてしまった。私は「君が他の人と仲良くしたのを良いことに、また私は他の誰か(彼)に縋ってしまった、君だけを愛し続けられない醜い女だった」ということを。私はつくづく生きる価値のない人間だな。放置されてはまた新しい人を探し、けれど君が戻ってきたら君だけに染まってしまう。けれどまた彼を見てしまえば私ははたまた、彼のことで頭がいっぱいになる。どうしてこんな人間になってしまったのだろう。愛に飢えた醜い人間が、生きていていいのだろうか。今回のことで「お前は生きていていい人間じゃない、そんな人間に幸福など来ない」と“時が告げ”てくれた気がした。ありがとう、これでやっと決心がついた。硬い縄を潜りながら、朝日に目配せをする

9/7/2024, 12:31:45 AM