このよく晴れた日の、乾いた『風に乗って』行き着く先が、果たして『楽園』なのかどうかを、まさにいま、これから旅立とうとしている、たんぽぽの綿毛たちは、知る由もない。
フェンスの向こう側、人の手の届かない場所で、美しく真円を咲かせた綿毛たちを眺めながら、けれどそんな、皮肉めいた同情や憐れみも、数歩先を行く私は忘れてしまうのだろう、これまでのように。
私に出来るのは、自らの人生のほんの一瞬を彼らに、わずかに傾けることだけ。
(どうぞ、よい旅を)
胸の内からほろり、と溢れた、たわいも無い祈りは、決して同情でも憐れみでもなく。
可憐で美しい、と感じる気持ちを、私にくれた者へ、彼らにとっておこがましくはない程度に、彼らの行く末を案じることは、恐らく、許されるはずなのだ。
5/1/2026, 6:46:50 AM