月が凪ぐ夜

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深い深い夜の闇を抜けて、しっかりと地を踏む足が軽快な音をたてる。
それはなにものにも阻まれず、そして遮られず、ただひたすら真っすぐにこの部屋の窓を叩く。
僕はまだ微睡みから抜けきらぬ中でその訪れを知り、ゆっくりとベッドから身を起こす。

いつだってその優しさが僕を救い出してくれる。
いつだってその愛しさが僕を包み込んでくれる。

どんなに僕が突き離しても決して諦めずに隣に寄り添い、言葉は無くとも温かなぬくもりを与えてくれた。

窓から差し込む一筋の光とともに、隣で微笑む君の柔らかな顔が僕の視界を大きく広げる。

「おはよう」と。
そう言って僕は、また今日の一歩を踏み出していく。


【一筋の光】


Ps ,
先日100♡をいただきました。
拙い文章をお読みくださり、ありがとうございます。

11/5/2023, 11:58:02 AM